抄録
Galegoidグループに属するタルウマゴヤシやエンドウなどのマメ科植物では、共生状態の根粒菌(バクテロイド)の形態は培養菌体とは大きく異なり、分裂能を喪失した多核体となっている。このような変化を誘導する因子は、宿主植物側にあるものと推測されるが(Mergaert et al., PNAS, 2006)、その実体は不明である。Galegoidグループの根粒内部には、NCR (nodule-specific cystein-rich)ペプチドが存在しており、ダイズやミヤコグサには、その遺伝子が存在しない。NCRペプチドは、抗菌活性のあるディフェンシンとよく似た構造をしており、Galegoidグループでは、NCRペプチドが根粒菌のバクテロイド化とその維持に関与している可能性がある。そこで、NCRペプチド遺伝子を発現するミヤコグサ毛状根を作出し、ミヤコグサ根粒菌の接種により根粒を着生させた。これらの根粒内部のミヤコグサ根粒菌のバクテロイドの形態、及び、根粒の窒素固定活性について報告する。