日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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フランキアにおける宿主植物の根滲出液特異的に誘導される遺伝子の探索
*山浦 真稔阿部 美紀子内海 俊樹東 四郎九町 健一
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p. 0200

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抄録
ある種の植物は微生物との共生によって大気中の窒素を固定し, 窒素飢餓の環境でも迅速に生育する。グラム陽性菌である放線菌フランキアは, 非マメ科植物の主に木本のアクチノリザル植物の根に形成された根粒中に共生し, 窒素固定を行っている。フランキアの共生に関連する遺伝子の研究はあまり進んでいない。マメ科植物と共生する根粒菌は, 宿主植物の根滲出液で共生に必要な遺伝子が誘導されることが分かっている。
Casuarina glaucaを宿主植物とするフランキアCcI3株を, C. glaucaと非宿主植物であるAlnus glutinosaの滲出液でそれぞれ処理し, 宿主植物の滲出液で発現が誘導される遺伝子を, Suppression subtractive hybridization (SSH) 法で探索した。この方法は真核生物のmRNAを用いる方法として開発されたものであるが, 我々はCcI3株のtotal RNAから23Sと16S リボソームRNAを取り除いた後, RNA poly(A)ポリメラーゼを用いてpoly(A)を付加し, 真核生物型のmRNAを調製することによりバクテリアへの応用を実現した。SSHにより得られたライブラリーからディファレンシャルスクリーニング法により, 宿主植物の根滲出液特異的に誘導されるCcI3株の遺伝子の同定を試みた。
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© 2008 日本植物生理学会
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