日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケの葉緑体clpP pre-mRNAに作用するPPRタンパク質の結合特性およびRNAプロセシングにおける役割
服部 満中村 崇裕*杉田 護
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p. 0217

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抄録
Pentatricopeptide repeat (PPR) タンパク質は、35アミノ酸保存配列(PPRモチーフ)を繰り返し持つタンパク質である。陸上植物に100~500個のPPRタンパク質遺伝子が存在することが知られている。ヒメツリガネゴケに存在する100個余りのPPRタンパク質のうち、11個のPPRモチーフをもつPPR531-11遺伝子をノックアウトした遺伝子破壊株は葉緑体チラコイド膜の発達が不完全で、光化学系II活性が低いことを前年会で報告した。また、遺伝子破壊株においては葉緑体コードのclpP pre-mRNAのRNAプロセシング効率が顕著に低下していることを報告した。そこで、本研究ではPPR531-11がclpP pre-mRNAに直接結合することにより、RNAプロセシングに関与しているかどうかを調べることにした。組み換えPPR531-11タンパク質とin vitro合成したmRNA分子との結合性をRNAゲルシフト法とフィルター結合法で解析した。その結果、PPR531-11がclpP pre-mRNAの特定の領域に特異的に結合することを明らかにした。本発表では、PPR531-11がclpP pre-mRNAのRNAプロセシングにどのように関与しているのかについて考察する。
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© 2008 日本植物生理学会
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