日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの葉緑体局在型Feスーパーオキサイドディスムターゼ(FSDs)の機能解析
*明賀 史純細田 千恵子梅沢 泰史飯泉 治子永田 典子池内 昌彦篠崎 一雄
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p. 0220

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抄録
我々は核コードの葉緑体タンパク質が欠損した変異体ラインの表現型スクリーニングにより、Fe-SODの3つのメンバー(FSD1, 2, 3)の内の1つFSD2にトランスポゾンDsが挿入したpale-green変異体を単離した。残りのメンバーのタグラインを入手し表現型を観察したところ、FSD1変異体の3つのアレルは野生型に比べて表現型に異常は見られなかったが、FSD3変異体の2つのアレルはFSD2変異体と同様にpale-greenの表現型を示した。さらにfsd2fsd3変異体は、単独の変異体に比べてより白色化した表現型を示した。FSDとGFPとの融合タンパク質をタバコの葉で一過的に発現させ、蛍光顕微鏡観察によりその局在を調べた結果、FSD1は細胞質に局在し、FSD2とFSD3は葉緑体内でそれぞれ異なる局在を示した。またfsd2fsd3の芽生えは光酸化ストレスへの感受性が著しく高く、暗所下での活性酸素除去能力が低下していることが分かった。このことからFSD2とFSD3は光合成で発生するスーパーオキシドを除去し、生体に極めて有害な活性酸素ラジカルの蓄積を抑えることが示唆された。さらにin vitroin vivo解析によりFSD2とFSD3はヘテロ複合体を形成し、芽生え初期に働くことを明らかにした。このことからFSD2-FSD3ヘテロ複合体は葉緑体の発達の初期に発生する活性酸素の除去を行い、葉緑体の機能維持に重要であると考えられた。
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© 2008 日本植物生理学会
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