日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ卵細胞ミトコンドリアの特徴
*高梨 秀樹大西 孝幸茂木 美来岡本 龍史堤 伸浩
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p. 0230

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抄録
植物において通常、栄養細胞でのミトコンドリアの形態は小型・粒状であることが知られている。一方で、これまでにゼラニウムやトウモロコシの卵細胞では巨大な釣鐘状・環状のミトコンドリアが観察され、またゼラニウム卵細胞ミトコンドリアは大量のミトコンドリアDNA(mtDNA)を保持しているとの報告があった。
本研究では、イネ卵細胞ミトコンドリアの形態、特徴を明らかにするため、固定・酵素処理等を行わずに生細胞の状態でイネ卵細胞を単離し、ミトコンドリアとmtDNAを同時に染色して観察を行った。その結果、イネではゼラニウムやトウモロコシとは異なり、卵細胞ミトコンドリアは小型・粒状の形態を取っていることが明らかになった。また、mtDNAの染色結果から、イネ卵細胞ミトコンドリアはイネ根由来プロトプラストミトコンドリアと比較して大量のmtDNAを保持していることが示唆された。さらに詳しい解析を行うため、リアルタイムPCRを用いて、ミトコンドリアゲノム上にコードされているcobCox2について、イネ卵細胞とイネ緑葉由来プロトプラストを用いた定量PCRを行った。その結果cobCox2共に、イネ卵細胞はイネ緑葉由来プロトプラストと比較して数十倍に及ぶコピー数を保持していることが明らかになった。
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© 2008 日本植物生理学会
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