日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タバコ培養細胞BY-2を用いたミトコンドリア核の組織化に関わるタンパク質の解析
*田草川 真理林 朋美酒井 敦
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p. 0229

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抄録
ミトコンドリア核は、ミトコンドリアのもつ独自のDNAとタンパク質との複合体であり、保存、複製、分配、転写といったゲノムの機能が営まれる場である。ミトコンドリア核内で、DNAはタンパク質により高度に圧縮されながらも、ゲノム機能を適切に発揮できる様式で組織化されている必要がある。このため、ミトコンドリアゲノムの機能制御機構を理解するには、ミトコンドリアDNAの組織化に関与するタンパク質の種類と結合様式を明らかにする必要があると考えられる。そこで我々は、タバコ培養細胞BY-2を用いて、ミトコンドリアDNAがどのように組織化されているのかを検討すると共に、ミトコンドリア核の組織化をもたらすタンパク質の探索を行った。
単離ミトコンドリア核を様々な酵素/塩で処理した際の形態変化やDNAの分析から、ミトコンドリア核はDNAとタンパク質との静電的な相互作用により組織化されていること、細胞核で見られるヌクレオソームに類似した構造をもつことが推察された。塩処理では、ミトコンドリア核の構造が塩濃度依存的に解体していく様子が観察され、同時に多数のタンパク質がDNAから解離し可溶化されることを確認した。組織化に関わるタンパク質はNaCl可溶性のタンパク質の中に含まれ、DNA結合活性をもつと想定されるため、その中からDNA結合タンパク質の検出を行った。現在、質量分析によりそれら候補タンパク質の特定を進めている。
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© 2008 日本植物生理学会
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