日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるHYL1/DRBファミリー2本鎖RNA結合タンパク質の相互作用因子の探索
*中澤 悠宏平栗 章弘金屋 明宏森山 裕充福原 敏行
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p. 0307

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抄録
近年、様々な生物において、2本鎖RNA結合モチーフ(dsRBM)を有するタンパク質が細胞内シグナル伝達や遺伝子発現制御に重要な役割を果たすことが報告されている。モデル植物シロイヌナズナではdsRBMを有するタンパク質が16種見出されており、生体内における機能が明らかにされてきている。本研究では、シロイヌナズナHYL1/DRBファミリー2本鎖RNA結合タンパク質(HYL1/DRB1, DRB2, DRB3, DRB4, DRB5)に着目し解析を行っている。
これまでに、DRB4遺伝子のT-DNA挿入変異株(drb4-1)が、発生後期にアントシアニンが蓄積しやすく赤紫色に呈色することを確認した。また、免疫沈降法を用いた解析によって、シロイヌナズナ生体内においてDRB4がDicer様タンパク質DCL4と相互作用し、RNAサイレンシング(trans-acting siRNA経路)に関与することを明らかにした。drb4-1系統に35S::DRB4-HAコンストラクトを導入した相補実験によって、赤紫色に呈色する異常を示さなくなること、野生型より蓄積量が減少していたsiRNA蓄積量が回復することを確認した。現在、生体内におけるDRB4の詳細な機能を明らかにすることを目的に、DRB4と相互作用する因子の探索を行っている。また、他のDRBタンパク質に関しても同様に解析を進めている。さらに、T-DNA挿入変異株を用いた生理学的な解析に関しても合わせて報告したい。
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© 2008 日本植物生理学会
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