日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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外来プロモーター特異的に遺伝子発現抑制が解除されるシロイヌナズナ変異系統の解析
殿村 元基長島 史子青山 れい子河合 利枝丹羽 康夫*小林 裕和
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p. 0310

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抄録
器官特異的な遺伝子発現制御機構を解明する目的で,光合成遺伝子RBCS-3Bプロモーターの制御下にレポーター遺伝子を置いたシロイヌナズナを用い,メタンスルホン酸エチル (EMS) 突然変異系統を選抜した.その結果, rex2 (relaxed expression of transgenes) 系統の根において,外来RBCS-3Bプロモーター特異的に遺伝子発現抑制が解除されることを見いだした.
rex2突然変異系統において,エピジェネティックな発現制御機構が関与している可能性が考えられた.そこで, bisulfite法を用いて,RBCS-3Bプロモーター領域のメチル化を調べた. 外来プロモーターではメチル化シトシンはほとんど検出されなかった.しかし, 内在プロモーターではメチル化シトシンが検出された. したがって,外来プロモーターと内在プロモーターの発現の違いには,このメチル化シトシンが関与する可能性がある.さらに,クロマチン構造とヒストンタンパク質の修飾に注目し,クロマチン免疫沈降法を用いて,内在RBCS-3Bプロモーターと外来RBCS-3Bプロモーターのクロマチン構造を比較した.
原因遺伝子座の解析を行ったところ, rex2突然変異系統の原因遺伝子座の予測範囲を,約50 kbpにまで狭めることができた.原因遺伝子座を同定するためこれらの領域のDNA塩基配列を決定した.
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© 2008 日本植物生理学会
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