日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ポプラペルオキシダーゼの多様性
*堤 祐司江藤 祐近藤 隆一郎
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p. 0330

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抄録
Populus trichocarpaゲノムデータベースから79個のペルオキシダーゼ(PO)遺伝子を同定し、それらのゲノム構造およびアミノ酸配列について考察した。POのゲノム構造を解析した結果、4エキソン、3イントロン構造の遺伝子が65%と多数を占めており、祖先型POのゲノム構造であることが予想された。またゼニゴケPOを含む系統樹解析により、PO44およびPO85がポプラの始原POであると予想した。重複遺伝子も存在し、進化の過程でのスーパーファミリーの形成の証拠であることが予想された。
PO成熟タンパクのアミノ酸配列アライメント解析結果から、活性部位近くのアミノ酸置換ならびに基質結合部位のアミノ酸置換を受けたアイソザイムが見つかった。Pro-139がAlaに置換されたPO74のホモロジーモデリングを行った結果、PO74のヘムポケットは通常のPOより広くなっていることが示唆された。高分子基質を酸化可能なP. alba 由来のPOであるCWPO-Cはタンパク表面上に露出したTyr-74、Tyr-177が推定基質酸化部位と推測されている。CWPO-CとオルソログなP. trichocarpa PO13は両Tyr残基を持つ唯一のPOであった。オルガネラ局在能を有するプロペプチド配列を持つPOアイソザイムは他のアイソザイムとは異なる機能を保持することが予測された。
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© 2008 日本植物生理学会
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