日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

植物ゲノム情報から推定したトランスポーターの網羅的な比較解析
*持田 恵一吉田 拓弘櫻井 哲也荻原 保成篠崎 一雄
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0331

詳細
抄録
膜輸送システムは細胞活動の維持に不可欠である。植物では、膜輸送システムは土壌からの効率的な必須元素の取り込みや、環境の変動に伴う種々のストレスに適応するためのイオン恒常性維持機構において重要なはたらきを担う。植物の膜輸送系についてのゲノムワイドな比較解析を行うために、植物ゲノムに典型的な59のトランスポーターファミリーをコードすると推定される遺伝子群を、シロイヌナズナ(TAIR)、イネ(RAP-DB)、ポプラ(JGI)の推定プロテオームセットと、それらに加えて16植物種のUniGene (NCBI)を用いて、隠れマルコフモデルを用いたプロファイル検索と相同性検索により同定した。同定したトランスポーター遺伝子について総当たりの相同性検索を行い、同祖遺伝子の推定を行うとともに、系統プロファイリングを行い、それぞれの植物種のトランスポーター遺伝子群のゲノム中の構成を特徴づけた。また、各植物種の推定アミノ酸配列について、膜貫通領域を予測するTMHMMおよびSOSUIを用いて、その膜貫通の回数と領域を予測した。植物ゲノム情報から推定されたトランスポーター遺伝子の情報は、膜貫通領域の予測結果、タンパク質ドメイン検索の結果とともに、データベースとして統合された。
著者関連情報
© 2008 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top