抄録
鉄(VI)酸カリウム(K2FeO4)を用いた場合での水試料中および下水消化汚泥中のノニルフェノール(NP)の分解除去と,汚泥からの重金属の溶出除去を検討した.NP分解において水試料では初期pHを6にすることでpH 2の条件でのFe(VI)添加量の1/200程度でNPの90%程度を除去できた.汚泥試料では初期pH 2の条件においてNPの除去に対してフェントン反応試薬と同程度のFe添加量が必要であった.また,初期pHを2.5~3.5とした場合ではpH 2あるいは7の条件に比べてFe(VI)酸イオンによるNP除去量が向上し,Pの溶出を抑えることができた.汚泥からのAs,Cd,CuおよびZnのpH低下による除去率は,K2FeO4溶液を予め添加することによって向上した.以上の結果から,下水消化汚泥にK2FeO4溶液を添加した後に汚泥を酸性化する2段階の処理によってNPと重金属類の双方を除去できる可能性を示した.