日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネにおけるジベレリン欠損変異体と非感受性変異体における遺伝様式の違い
安益 公一郎*上口(田中) 美弥子Chhun Tory浅野 賢治山本 英司渡辺 正夫北野 英巳芦苅 基行松岡 信
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p. 0350

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抄録
ジベレリン(GA)は、茎葉伸長・種子発芽・花粉形成などに関わる植物ホルモンである。我々は、これまでイネを研究材料として、多くのGA欠損変異体やGA非感受性変異体を単離し、これらの遺伝解析を行って来た。この遺伝解析の過程で、奇妙な遺伝現象、すなわち、GA非感受性変異体の遺伝はメンデルの法則に適合する一方、GA欠損変異体の遺伝浸透性は極めて低く、メンデルの法則に適合しないことを見出した。この原因を明らかにするため、半稔性を示す新たなGA欠損、非感受性変異体の2系統を単離し、花粉形成と花粉管伸長について調べた。その結果、GA欠損変異体であるrpe1 (reduced pollen elongation1)の半稔性の原因は花粉管伸長の異常がその主たる要因である一方、非感受性変異体Slr1-d3は成熟花粉の形成異常が要因であることが解った。さらに各発達段階の野生型の葯を用いてGA生合成遺伝子とシグナル伝達因子の遺伝子について発現解析を行った。その結果、生合成遺伝子は花粉母細胞の減数分裂期以降に強く発現が見られたが、減数分裂期より早い時期では、その発現は殆ど検出できなかった。逆にシグナル伝達因子遺伝子は、減数分裂前の発達ステージで強く発現していた。以上の結果をもとに、GA欠損変異体と非感受性変異体間の遺伝様式の違いをもたらす要因について考察する。
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© 2008 日本植物生理学会
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