日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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サイクリン依存性キナーゼによる植物細胞質分裂の制御
*笹部 美知子町田 千代子町田 泰則
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p. 0376

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抄録
細胞質分裂は、細胞を二つに分離する多段階で複合的な反応過程である。植物の細胞質分裂は、微小管を主成分とするフラグモプラストと呼ばれている細胞質分裂装置の中で起こる。キネシン様タンパク質(NACK)と MAP キナーゼカスケードからなる NACK-PQR 経路は、このような植物の細胞質分裂のキーとなっている反応系である。我々は、これまでに、 NACK-PQR 経路は細胞周期 M 期の中期以降に活性化され、フラグモプラスト微小管の動的不安定性を引き起こし、フラグモプラストの親細胞壁への拡大伸長を誘導していることを明らかにしてきた(Genes & Dev., 2006)。また、この経路が、 NACK と MAP キナーゼカスケードの構成因子である NPK1 MAPKKK とが結合することにより、活性化されることを示した。しかし、NACK-PQR 経路を構成するすべてのタンパク質は、中期以前にも存在しているにもかかわらず、何故この経路が不活性であるのかは不明であった。本研究では、中期以前にはCDKにより NACKとNPK1がリン酸化されており、それにより両者の結合が阻害されていること、中期を過ぎると脱リン酸化が起こり、両者が結合し、この経路が活性化される可能性を示した。つまり、CDKは、中期以前において細胞質分裂に必要な因子の機能を抑制する因子であると考えられる。
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© 2008 日本植物生理学会
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