日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケの葉細胞で起こる細胞周期再開の制御機構
*石川 雅樹秋田 朝日小栗 康子小原 真理若月 幸子長谷部 光泰久保 稔
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p. 0381

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抄録
ヒメツリガネゴケは、胞子から発芽後、細胞が一列に並んだ原糸体を経て、茎と葉からなる茎葉体へと発生していく。葉を茎葉体から切り離すと、切断後約48時間で切断面に面した葉細胞が細胞分裂を再開し原糸体細胞になる。本研究では、この過程でおこる葉細胞での細胞周期再開メカニズムを明らかにすることを目指している。はじめに我々は、細胞周期制御の中心的な役割を果たすAタイプサイクリン依存性キナーゼ(CDKA)に着目した。CDKA転写産物、およびそのタンパク質の蓄積レベルは葉切断後48時間までほぼ一定であったが、その活性は切断後24時間目以降で上昇することが分かった。そこで我々は、サイクリンなどの細胞周期関連遺伝子の発現変動をRT-PCRを用いて解析した。その結果、葉切断後12時間目以降でサイクリンD(CYCD)転写産物が、そして36時間目以降でサイクリンB転写産物が蓄積することが分かった。さらにCYCDプロモーターにGFPプロモーター遺伝子を連結させた融合遺伝子をヒメツリガネゴケに導入し、その蛍光を観察したところ、切断面に面した葉細胞のみで蛍光が検出された。以上のことから、葉を切断すると、切断面に面した葉細胞でCYCD遺伝子が発現し、CYCDがすでに葉細胞に存在しているCDKAと結合し、CDKAを活性化させることで細胞周期を再開させることが示唆された。
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© 2008 日本植物生理学会
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