日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの葉の発生に関わる asymmetric leaves 2 の亢進変異体の解析
*松村 葉子小島 晶子町田 千代子町田 泰則
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p. 0388

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抄録
植物の葉は向背軸、中央側方軸、基部先端部軸の3つの軸に沿って形成されると考えられている。ASYMMETRIC LEAVES 2 (AS2) は、植物に特異的な保存領域(AS2/LOBドメイン)をもつタンパク質をコードしており、その機能欠損型変異体 as2 は、3つの軸全てに異常を示す非常にユニークな葉を形成する。また、as2 変異体の葉では、classI knox 遺伝子の転写産物が異所的に蓄積することが報告されている。これまでの研究から、AS2 は扁平で左右対称な器官の形成に必要であると考えられているが、その分子機能はまだ明らかにされていない。我々は AS2 と遺伝的相互作用をする因子を得るため、as2 変異体のエンハンサー及びサプレッサーのスクリーニングを行った。その結果、複数のエンハンサー候補が得られたが、サプレッサー候補は得られなかった。このことは葉の形成においてAS2 の下流に複数の経路があることを示唆する。エンハンサー候補は、棒状やトランペット状の葉を高頻度に形成するもの、葉の左右非対称な切れ込みが激しくなったもの、葉身長及び葉柄長がさらに短くなったものなど、3つのタイプに大別できた。これらはそれぞれas2 変異体の向背軸、中央側方軸、基部先端部軸方向の異常を亢進していると考えられる。また、as2 変異体の3つの軸の異常を全て亢進しているものもあった。これらのエンハンサー候補の解析について報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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