日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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新規ペルオキシソーム膜タンパク質の解析
*新井 祐子林 誠真野 昌二西村 幹夫
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p. 0421

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抄録
ペルオキシソームには植物生理機能を担う多くの代謝系が存在する。しかし、ペルオキシソーム膜輸送系の詳細な解析はなされていない。我々はペルオキシソーム膜上における代謝産物輸送機構の解明を目指し、ダイズ由来ペルオキシソーム膜タンパク質のプロテオーム解析を行った。その結果、機能未知の新規タンパク質としてGmANT (Glycine max adenine nucleotide transporter)を同定した。GmANTの細胞内局在は、mRFP融合タンパク質を発現させた細胞の観察によって、ペルオキシソームであることが明らかとなった。ペルオキシソームタンパク質をマトリックスタンパク質及び膜タンパク質に分画したところ、GmANTは膜画分に存在していた。また、GmANTは発芽時の子葉において、脂肪酸の代謝に機能が特化したグリオキシソームの酵素と同様の挙動を示した。更に、GmANTは酵母adenine nucleotide transporter 欠損株の機能を相補することが明らかとなった。以上の結果から、GmANTは発芽時のグリオキシソーム膜においてadenine nucleotideを輸送していることが示唆された。現在、GmANTのシロイヌナズナホモログについても解析を進めており、その結果を併せて報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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