日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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表皮細胞におけるペルオキシソームの機能解析
*神垣 あかね林 誠西村 幹夫
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p. 0422

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抄録
酵母を中心とした遺伝学的解析から30種類以上のペルオキシソーム形成因子(ペルオキシン)が同定され、ペルオキシソームマトリックスタンパク質の輸送、増殖、分裂、膜形成といったペルオキシソーム形成機能に関わることが示唆されている。これまでに、我々はシロイヌナズナゲノム上で予測されるPEX遺伝子をRNAi法によって発現抑制し、これらの遺伝子がペルオキシソームの形態とマトリックスタンパク質の輸送に直接関与していることを明らかにした。本研究では、ペルオキシソームマトリックスタンパク質輸送に関与する因子であるPEX2, PEX10, PEX12に焦点を当て、植物個体レベルで解析を行った。その結果、PEX2, PEX10, PEX12はタンパク質の構造と機能が類似しているにもかかわらず、Pex10p発現抑制株のみに葉の部分的黄化、花序の形成異常、不念といった表現型がみられた。PEX10発現抑制株でみられる表現型はクチクラワックスの欠損変異体の特徴的表現型と一致し、実際に、クチクラワックス量が減少していた。表皮細胞で合成された脂質成分が細胞外へ分泌され、クチクラワックス層を形成することから、表皮細胞におけるペルオキシソーム機能分化とクチクラワックス合成の関与を中心に検討する。
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© 2008 日本植物生理学会
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