日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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重イオンビーム照射を用いたシロイヌナズナ突然変異誘発におけるLET効果
*風間 裕介斉藤 宏之大部 澄江林 依子市田 裕之龍頭 啓充福西 暢尚松山 知樹阿部 知子
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p. 0459

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抄録
ガンマ線やエックス線に比べて高い線エネルギー付与(LET)を有する重イオンビームは、低線量で高い変異率が得られ、遺伝子破壊技術として注目されている。理化学研究所のRIBFで発生する重イオンビームのうち、生物照射の実績があるのは、C、N、Ne、Ar、Feである。これらは、レンジシフターを用いてLETの大きさをコントロールすることができる。本研究では、核種やLETの違いが植物に与える影響を調査し、変異誘発に有効な照射条件を決定するため、モデル植物シロイヌナズナを用いて重イオンビーム照射実験を行った。乾燥種子に対し上記5種の核種を5-400 Gy照射し、発芽率、開花率、M2世代におけるアルビノ出現率を計測した。発芽率は照射による影響を受けなかった。開花率の減少効果はArがもっとも高く、アルビノ出現率はNがもっとも高い値を示した。次に、LETを30-640 keVμm-1にコントロールして様々な核種を照射した。核種に関係なく、同じ大きさのLETでは同程度の変異率が得られた。最も高いアルビノ出現率はLET = 30 keVμm-1で得られた。重イオンビーム照射による変異誘発では、LETが重要な因子であることが示唆された。現在、重イオンビーム照射により生じる遺伝子突然変異を調査中であり、その結果も合わせて報告したい。
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© 2008 日本植物生理学会
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