日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ビオチン化リガンドを用いた植物受容体の解析手法の開発
*新屋 友規長田 友彦出崎 能丈畠本 正浩賀来 華江渋谷 直人
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p. 0462

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抄録
植物には、受容体型キナーゼをはじめとする受容体様分子が数多く存在することが示唆されているが、リガンド-受容体の関係が明らかになっている分子は極めて少ない。そこで本研究では特定のリガンドに対する受容体の解析と同定を行う上で、アイソトープを用いる方法より簡便で、non-RIで使用可能なビオチン化リガンドを用いた解析手法の開発を試みた。リガンドとしてビオチン化キチンオリゴ糖(GN8-Bio)を調製し、イネのキチンエリシター受容体であるCEBiPをモデルとして検討を行った。その結果、イネ原形質画分およびミクロソーム画分とGN8-Bioを混合し、グルタルアルデヒドにて親和性標識し、ウエスタンブロティング後、抗ビオチン抗体によりCEBiPを検出することができた。さらにGN8-BioとDTSSPで架橋したイネ原形質膜画分から、アビジンカラムを用いた親和性クロマトによりCEBiPを単離することができた。以上のことから、ビオチン化リガンドを用いた方法は、親和性標識により特定のリガンドに対する高親和性蛋白を同定、特性解析し、さらに目的蛋白を精製するまでの一連の解析を可能とすることが期待される。本方法を未知の受容体に対して適用する場合、架橋剤により修飾された蛋白から構造情報を得る必要があり、現在その検討を進めている。
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© 2008 日本植物生理学会
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