抄録
低分子量熱ショックタンパク質(sHsp)は、モノマーのサイズが12から43kDaの比較的小さなHspで、alpha-crystallinドメインを有する。すべての生物界に存在する主要Hspの一つである。酸化ストレス下におけるsHspの役割を解明するために、メチルビオローゲンあるいは過酸化水素存在下におけるsHspの構成的発現株あるいはsHsp遺伝子破壊株の表現型を解析した。その結果、sHspがフィコビリソームを構成するフィコシアニンや光化学系などの光合成装置を酸化ストレス下で安定化することが明らかになった。