日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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コムギ無細胞翻訳系を用いた植物膜タンパク質解析系の構築
*七宮 英晃野澤 彰戸澤 譲
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p. 0506

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抄録
植物ゲノムにコードされている全遺伝子のうち、約3割は膜輸送装置を構成する膜タンパク質、および膜結合タンパク質をコードする遺伝子と推定されている。これらの膜タンパク質は生化学的解析が極めて困難であり、ごく一部を除いて、その大半は詳細な分子機構が明らかになっていない。そこで我々は、植物の膜タンパク質に関する汎用的な生化学的解析系の確立を目指し、シロイヌナズナのホスホエノールピルビン酸/リン酸トランスロケーター(AtPPT1)をモデルとして、コムギ無細胞翻訳系を用いた膜タンパク質の可溶化合成試験、ならびに合成タンパク質のリポソーム上への再構成条件の検討を行った。種々の界面活性剤、ならびにダイズのリン脂質より調製したリポソームを用いた可溶化合成試験の結果、無細胞系にて翻訳反応を行う際にBrij35とリポソームを添加することが最適であることを見出した。可溶化合成後、別途調製したリポソームとの再構成条件を検討した結果、合成したAtPPT1がリポソームに取り込まれ、高い酵素活性を有する実験系を見出すことに成功した。加えて、イネゲノムに見出された三種のPPTホモログについて、本手法によりその基質特異性を解析し、これらが確かにPPT活性を有することが明らかとなった。以上のことから、本研究にて開発したコムギ無細胞翻訳系を用いた膜タンパク質の解析系は極めて有用な方法であると考えられる。Nozawa et al. PCP, 48, 2007
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© 2008 日本植物生理学会
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