日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ葉緑体でのNudix hydrolaseによるNAD(P)HおよびFADの代謝制御
*小川 貴央武智 遼西村 慶亘伊藤 大輔石川 和也吉村 和也重岡 成
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p. 0532

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抄録
Nudix hydrolase (NUDX)は、酸化ヌクレオチド、NAD(H)、CoAなどの細胞毒性物質、レドックス制御物質および種々の代謝産物が含まれるヌクレオシド-2リン酸類縁体 (nucleoside diphosphate linked to some other moiety X)加水分解活性を有するタンパク質ファミリーである。当研究室ではこれまでに、シロイヌナズナの細胞質型NUDX(AtNUDX1~11, 25)の分子特性を明らかにしてきた(J. Biol. Chem. 2005, 280: 25277-83, Plant Cell Physiol. 2007, 48: 1438-49)。そこで本研究では、葉緑体型 NUDX (AtNUDX19~24、26、27)の機能解析を試みた。リコンビナントAtNUDX19はNADPH、AtNUDX 23はFAD、AtNUDX26およびAtNUDX27はApnAに対して高い加水分解活性を示した。葉緑体において、NADPHやFADは光合成、レドックス制御、光受容などに関与するため、AtNUDX19および23はそれらと密接に関わっている可能性がある。SALKより入手したAtNUDX19 T-DNAラインは同遺伝子の第4イントロンにT-DNAが挿入されており、mRNAの発現量は野生株の約50 %に減少していた。また、AtNUDX23はRNAi法により発現抑制株を作出した。現在、それらの株を用いてNADPHおよびFADの代謝に及ぼす影響について解析を行っている。
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© 2008 日本植物生理学会
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