抄録
アシルアミノ酸遊離酵素(AARE: Acylamino Acid-Releasing Enzyme)は微生物、動物、植物に広く保存されているプロテアーゼである。AAREはNα-アシル化オリゴペプチドからNα-アシルアミノ酸を遊離する活性を示す。In vitroにおいて酸化タンパク質と、糖化タンパク質の分解活性が報告されている。シロイヌナズナAAREノックダウン体と過剰発現体を用いて、酸化タンパク質分解機能の解析を試みた。
35SCaMVプロモーターを用いたAARE過剰発現体と、RNAiによるAAREノックダウンシロイヌナズナの作出を行った。抗AARE抗体を用いたウェスタンブロットと、アシルアミノ酸遊離活性の測定によって組換え体の確認を行った。野生型と組換え体で酸化ストレス耐性の比較を行った。また、葉における酸化タンパク質の蓄積量についても比較を行った。
酸化ストレス処理により、AAREノックダウン体が野生型より酸化ストレス感受性であることを確認した。AARE発現量の違いによって酸化タンパク質量の蓄積に差が生じた。