日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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紅色細菌Rhodopseudomonas sp. Ritsの培養期間中における色素組成の変化
*原田 二朗溝口 正伊佐治 恵大岡 宏造民秋 均
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p. 0542

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抄録
近年単離された紅色細菌Rhodopseudomonas sp. Ritsは、16S rDNAの系統解析においてRhodopseudomonas palustrisに近縁な種である。そのために、これらの種は共通の性質を多くもつことが分かっている。まずこれらはLH2とLH4の2種類の周辺アンテナ系を持つ。また、BChl aの中間産物(C-17位上の長鎖エステル基の還元度が異なる)を蓄積することが分かっている。そしてカロテノイド合成においては、スピリロキサンチンの中間産物であるロドピンと3,4-ジデヒドロロドピンを主成分として持つ。我々は、これらの中間産物(BChl aとカロテノイド)の組成が、光強度によって変化することを見出してきた[1]。今回は、中間産物の組成が培養期間を通して変化しているかを調べるために、Rits株を用いて培養中の色素解析を行った。BChl aについては、培養期間中の中間産物の組成変化はほとんど見られなかった。一方、カロテノイドにおいては、培養初期の主成分が3,4-ジデヒドロロドピンであったのに対し、後期ではロドピンに入替わっていた。この変化は培養中のLH2とLH4の合成量の変化に関連していると考えられたので、現在、周辺アンテナタンパク質の解析を進めている。
[1] J. Harada et al. (2007) Photosynth Res. in press.
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© 2008 日本植物生理学会
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