日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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緑色硫黄細菌Chlorobium tepidumのホモダイマー型光化学反応中心への変異導入法の検討
*浅井 智広原田 二朗大岡 宏造
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p. 0578

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抄録
緑色硫黄細菌は絶対嫌気性の光独立栄養細菌である。その光化学反応中心(RC)はシアノバクテリアや高等植物の光化学系I RCと同じタイプ(Fe-Sタイプ)に属するが、コアタンパクはホモダイマー型構造をとるものと推測されている。我々はこれまで様々な生化学的・分光学的手法を用いて、緑色硫黄細菌RCの電子移動反応機構の解析を行ってきた。しかしながら電子移動経路には未だに不明な点が多く残されており、特にその存在が期待されるキノン分子の同定には至っていない。
この問題に対して我々は、分子生物学的手法によるアプローチが有効であると考え、緑色硫黄細菌Chlorobium tepidumの形質転換系を利用したRCコアタンパクへの変異導入に着手することにした。これまでに部位特異的変異の導入や、キノン分子にメチル基を付加する酵素をコードする遺伝子の欠失を試みたが、いずれも致死変異であった。そこで変異を導入したRCを安定に保持することが期待できる系として、recA遺伝子領域に変異遺伝子を導入することを試みることにした。一方、これと並行し、RC標品を大量かつ簡便に入手することを目的に、コアタンパクへの精製用タグの付加も試みた。本発表ではこれまでの状況について報告するとともに、有効な研究手法についての議論を行いたい。
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© 2008 日本植物生理学会
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