日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリア時計タンパク質KaiCの生化学的解析による概日時計の分子機構
*寺内 一姫西脇 妙子北山 陽子近藤 孝男
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p. 0583

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抄録
シアノバクテリアは概日時計をもつ最も単純な生物であり、その概日時計は真核生物と同じ基本性質を保持している。最近、我々はシアノバクテリアの3つの時計タンパク質KaiA、KaiB、KaiCとATPにより、概日時計再構成系の構築に成功した。これは時間を測定するメカニズムがタンパク質の生化学的性質により説明可能であることを意味している。再構成系においてKaiC の非常に低いATPase活性が24時間周期で振動し、KaiCの二つのリン酸化部位(Ser431と Thr 432)が一定の順序に従いリン酸化および脱リン酸化を24時間サイクルで繰り返す。また、KaiCのATPase活性は温度に対して安定であり、概日時計の基本性質のひとつである温度補償性を保持し、さらにKaiC周期変異タンパク質を用いたATPase活性の解析により、ATPase活性が概日時計の速度を決めていることが明らかになった。これらの結果から概日時計の基本メカニズムは3つの時計タンパク質のうちKaiCタンパク質に内包されていると考えられる。概日時計の分子機構を明らかにするために、KaiCタンパク質の生化学的解析を進めている。本報告では、KaiCのリン酸化状態や非リン酸化状態を模倣した変異タンパク質などの解析結果から、ATPase活性およびリン酸化の分子機構について考察する。
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© 2008 日本植物生理学会
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