日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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光化学系IIのquality control : D1ターンオーバーでFtsHプロテアーゼは2つの役割を果たす
*山下 亜夢平元 秀樹森田 典子山本 泰
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p. 0597

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抄録
光化学系II(PSII)複合体が熱または過剰な可視光を受けると、反応中心D1タンパク質が損傷を受ける。損傷D1タンパク質はプロテアーゼにより認識されて分解・除去され、その後新規に合成されたD1タンパク質で置き換えられる。このD1ターンオーバーにおいてD1タンパク質の分解に関与するプロテアーゼは、チラコイド膜に局在するFtsHプロテアーゼであると推測されている。しかし、損傷D1タンパク質は、分解されずに他のPSIIサブユニットタンパク質と凝集物を形成することもある。D1タンパク質との凝集物が蓄積するとPSIIの機能不全が起こる。
本研究では、FtsHプロテアーゼがプロテアーゼとしての役割だけでなく、凝集を抑制するシャペロンとしての役割を果たしている可能性について検討した。シアノバクテリア Synechocystis sp.PCC6803のチラコイド膜に500μEm-2s-1の光を照射した場合、野生株(WT)のチラコイド膜ではD1タンパク質の分解と凝集が確認された。次に、FtsHプロテアーゼを欠損させたΔFtsH(Δslr0228)のチラコイド膜に強光照射すると、D1タンパク質の分解は見られず、凝集物の増加が確認された。更に、低温処理でFtsHプロテアーゼレベルが上昇した細胞から得たチラコイド膜に強光ストレスを与えると、WTのチラコイドに比べてD1タンパク質凝集物の蓄積量が減少した。これらの結果は、FtsHプロテアーゼがD1タンパク質凝集物の蓄積を低下させる可能性を示唆している。
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© 2008 日本植物生理学会
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