日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ雄性生殖器官における新規small RNAの探索と解析
*藤岡 智明金子 芙未風間 智彦高田 美信諏訪部 圭太鈴木 剛遠藤 誠川岸 万紀子渡辺 正夫
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p. 0606

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抄録
miRNAやsiRNAと呼ばれる19-25塩基程度のsmall RNAは、発達過程やストレス応答の際に特異的な発現や発現量の変化を示す。これらを介した目的遺伝子の発現抑制は、正常な成長や環境変化に対応・適応するために生物が獲得した遺伝子発現制御機構の1つとして多くの種で研究が進められている。本研究では、イネ生殖器官の中でも特に雄性器官に着目し、雄性器官の発達に関与する新規small RNAの単離・解析を目的とした。
日本晴の成熟葯を用いてsmall RNA cDNAライブラリーを作製し、ランダムに選抜した約900クローンの塩基配列を決定した。BLAST・RAP-BLAST・miRBase等による解析から、前駆体としてステム・ループ構造を形成し得る約40種の候補配列を得た。この中には、2種の既報miRNA(miR166、miR167)が含まれていたことから、候補配列には新規small RNAが含まれると推測した。
ノザン解析により、上記の2種のmiRNAが葯の発達過程において蓄積していることを確認した。このことから、イネの雄性器官形成・成熟過程においてもsmall RNAによる遺伝子発現制御機構が存在していると推察した。
現在、さらにクローニングを続けると共に各候補配列の発現解析を行っている。
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© 2008 日本植物生理学会
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