日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネの花序形成に花序分裂組織への転換を制御するTAW1 遺伝子の解析
*小林 薫前川 雅彦廣近 洋彦宮尾 安藝雄長戸 康郎経塚 淳子
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p. 0643

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抄録
植物の器官は茎頂分裂組織(SAM)に由来する.植物の成長に伴って起こるSAM のアイデンティティの転換は植物の形態形成に重要である.本研究では花分裂組織(FM) への転換に着目し,イネの穂の形態が異常な変異体tawawa1 (taw1) を解析している.
taw1 は穂の分枝である枝梗が野生型より多く,1穂の小穂(イネの花) 数は約2倍である.イネのSAM は数個の1次枝梗原基を分化してから退化し,taw1 では1次枝梗が増加するので,SAM の退化が遅れていると考えた.また,1次枝梗や2次枝梗にできる側生器官の数に差はないが,野生型ではほとんどが小穂なのに対して,taw1 では枝梗が多い.したがって,taw1 では側生分裂組織のFM への転換が遅延すると考えられた.小穂で最初に形成される副護穎,護穎がtaw1 では葉状化し,さらに花器官にも異常が見られる.これらからTAW1 は小穂としてのアイデンティティの獲得に必要だと考えた.出葉速度や分げつ性に野生型と変異体で差がなく,栄養成長相のSAM には影響しないと考えられた.
マッピングによりTAW1 遺伝子を同定した.TAW1 は生殖成長相の茎頂で発現し,変異体での転写レベルは野生型に比べ顕著に下がっていた.
イネのFM遺伝子は未報告であり,TAW1 はその点で興味深い.また,植物ホルモンやFM への転換を抑制する遺伝子との相互関係も議論したい.
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© 2008 日本植物生理学会
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