日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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雄性不稔スギ雄花における候補遺伝子群の単離
*渡辺 敦史栗田 学宗原 慶恵中田 了五
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p. 0653

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抄録
スギは我が国の造林樹種の中で最も重要な樹種の一つである。しかし、春先に飛散するスギ花粉は花粉症を引き起こし、社会問題化している。林木育種センターでは、雄性不稔個体であるスギ個体を「爽春」の品種名で品種登録出願した。現在、「爽春」は組織培養やさし木等で大量に増殖するとともに、人工交配を行って様々な形質を保有する個体の作出を試みている。これに加え、「爽春」の雄性不稔化の原因やそれに関係する遺伝子が明らかとなれば、より多様な雄性不稔スギを開発できる可能性がある。そこで、花芽が形成される8月後半から一週間ごとに雄花を採取し、雄花形成を電子顕微鏡によって観察した。その結果、9月初頭に花粉形成を開始したが、10月初頭から花粉形成に異常が認められ、10月後半には花粉が崩壊する過程が観察された。この結果に基づいて、9月期の雄花をテスターに10月期の雄花をドライバーにサブトラクションライブラリーを構築し、遺伝子単離を行った。約200の遺伝子を単離した結果、ラジアタマツのPrMALE1遺伝子と相同性が高い遺伝子が約17%を占めていた。同様にchalcone synthase-like proteinが約6.8%、dihydroflavonol 4-reductaseが約6.3%出現し、これら3遺伝子で全体の3割に達した。さらに、遺伝子単離を進めるとともに、単離した遺伝子の発現定量解析を行う。
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© 2008 日本植物生理学会
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