日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナacaulis1表現型のエンハンサー・サプレッサーの単離
*鎌田 直子鈴木 光宏米田 好文
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p. 0661

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抄録
シロイヌナズナacaulis1 (acl1) 変異体は、ロゼット葉が小さく縮れ、花茎長が短くなる表現型を示す。強い表現型を持つacl1-1アレルでは、ロゼット葉の直径は非常に小さく1cm前後であり、花茎もロゼットの高さよりもわずかに長い程度で先端に2-3個の花をつける。弱いアレルacl1-3でもロゼット葉はやや縮れて野生型よりも小さく、花茎全長も短くなる。これらの表現型は22°Cにおいて観察されるが、28°Cに生育温度を変化させると失われ、両acl1アレル共にほぼ野生型と同等の大きさにまで植物体が成長する。
acl1変異体種子にEMSによる突然変異原処理を行い、22°Cにおけるacl1表現型のエンハンサーおよびサプレッサー変異体を複数ライン得た。22°Cでのacl1変異体の葉や花茎の形態異常がどのような遺伝子経路を介しているのかを知る手がかりとなると考えている。また、acl1-1アレルでは変異表現型の直接の原因ではないものの表現型をエンハンスする性質を持つ逆位が4番染色体に見つかっている。この逆位がacl1表現型に及ぼす影響についても解析を行っている。
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© 2008 日本植物生理学会
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