抄録
タバコ培養細胞BY-2より単離されたTMBP200はXMAP215やMOR1/GEM1をメンバーとする真核生物に高度に保存されたMAPsファミリーのメンバーである。我々はTMBP200の機能ドメインを明らかにすることを目指して、様々なTMBP200の部分断片とGFPの融合タンパク質をBY-2細胞内で発現させることを試みている。これまでに、TMBP200の全長GFP::TMBPFL (1-2029 aa) は、細胞周期を通じて微小管上に分布し、N末端領域GFP::TMBPN1 (1-269 aa)とC末端領域GFP::TMBPC1 (1402-2029 aa)は、表層微小管には局在せず紡錘体とフラグモプラストに弱く付随することを報告した。今回は新たに、N末端欠損シリーズとしてGFP::TMBPN2-C1 (270-2029 aa)、GFP::TMBPN3-C1 (586-2029 aa)、GFP::TMBPN4-C1 (838-2029 aa)、GFP::TMBPN5-C1 (1101-2029 aa)とC末端欠損シリーズとして、GFP::TMBPΔPMBD (Putative MT-Binding Domain)(1-1787 aa)、GFP::TMBPN1-N5 (1-1401 aa)を発現する株をそれぞれ作出した。これらの融合タンパク質の細胞内分布を調べた結果から、TMBP200の微小管結合ドメインについて考察する。