抄録
近年のトランスクリプトームの成果は、大量の低分子RNAの存在を明らかにした。植物からもsiRNAやmiRNA等の遺伝子発現制御に係わる低分子RNAの発見が相次いだが、低分子RNAの全体像を把握するには至っていない。本研究では、トランスクリプトームとは異なるアプローチで新規の低分子RNAを発見することを目指し、U snRNA遺伝子が共通に持つ転写シス配列に着目した。in silicoとin vitroを駆使し、イネから新規の低分子RNA (OsR17)を同定するに至った。この遺伝子座からは、Pol II とPol IIIによる転写が重複して行われている可能性を示唆する結果が得られており、何らかの遺伝子発現制御に係わっている可能性がある。