日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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カラシナ由来の新規ディフェンシン遺伝子の取得と解析
*提箸 祥幸高久 洋暁矢頭 治
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p. 0772

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抄録
アブラナ科野菜は抗菌性物質を有していることが知られており、種子の発芽時における糸状菌の感染などを防ぐ効果を持つと考えられる。この代表的な物質として、ディフェンシンと呼ばれる一群のポリペプチドが存在する。ディフェンシンは広く生物界に存在するが、アミノ酸レベルでの構造、抗菌活性スペクトラムには生物ごとにそれぞれ共通の特徴を有している。アブラナ科野菜の持つディフェンシンは糸状菌に抗菌活性を示すものが多い。
我々はカラシナに注目し、ディフェンシンの活性と構造との関係に知見を加えることを目的として、新たなディフェンシン遺伝子の取得を試みた。既知のアブラナ科ディフェンシンのDNA配列を参考にディフェンシン遺伝子に特異的なプライマーを作製し、全DNAからディフェンシン遺伝子と相同性を有する遺伝子断片の取得をPCR法にて試みた。その結果、既知のディフェンシンと高い相同性を示すものの新規の配列を有する遺伝子断片を取得した。塩基配列を解析し、成熟型ディフェンシンの全領域と予想される部分を大腸菌発現ベクターpGEX-6P-1に挿入し、GSTタグを付加した蛋白質を発現させ、タグの切断及び精製・純化をおこなった。
本大会では取得したディフェンシンの基礎的な特徴に加え、数種の微生物に対する抗菌活性測定の結果を合わせて報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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