日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

ビオチン化プローブを用いたシロイヌナズナの新規アブシジン酸受容体の探索
*谷岡 直樹賀屋 秀隆朽津 和幸
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0818

詳細
抄録
アブシジン酸(ABA)は、種子の休眠、成長抑制や、気孔閉鎖等の様々なストレス応答の鍵を握る植物ホルモンである。最近、葉緑体に局在するMg chelatase H subunitや、花成に関わる核内RNA結合タンパク質であるFCAがABA受容体として機能することが報告されたが、孔辺細胞や種子アリューロン細胞等ではABAが細胞膜上でも認識されることが示唆されている。我々は、ビオチン化ABAと蛍光標識アビジンを用いて、ABA結合部位の可視化実験系やフローサイトメーターを用いた定量化実験系を構築し、ソラマメの孔辺細胞プロトプラストやオオムギのアリューロン細胞プロトプラストの細胞膜上にABA受容部位が存在することを示した(Yamazaki et al., 2003; Kitahata et al., 2005)。そこで本研究では、細胞膜上のABA受容体を単離・同定することを目的とし、シロイヌナズナcDNA libraryを用いたファージディスプレイ法により、ビオチン化ABAと結合する因子のスクリーニングを行った。単離した候補因子について、pull-down法を用いたin vitro でのABA結合特性、GFP融合タンパク質を用いた細胞内局在性、T-DNA挿入変異体を用いたABA誘導性の気孔閉鎖、種子休眠、根の伸長抑制等のABA感受性の解析結果について報告する。
著者関連情報
© 2008 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top