日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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クロレラの窒素化合物利用に対する糖・アンモニア・青色光の制御
*神谷 明男山崎 亜紀
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p. 0836

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抄録
クロレラのヘキソース輸送系はヘキソースで誘導されるが、ヘキソキナーゼの基質とはならない6-deoxy -D-glucose添加によっても誘導される。今回、ヘキソース輸送系だけでなく、アミノ酸・硝酸輸送系に対して、グルコース以外に6-deoxy-D-glucoseが誘導効果を示すか検討した。その結果、アミノ酸(グリシン)輸送系は6-deoxy-D-glucose添加により顕著に誘導されたが、硝酸輸送系には影響がなかった。従って、ヘキソース・アミノ酸輸送系の誘導は、エネルギーを必要としないシグナルによる誘導の存在が考えられる。またgrowing phaseの細胞の硝酸輸送系はグルコースにより顕著な抑制が認められ、青色光照射によっても同様な抑制が認められた。この細胞は高い硝酸還元酵素活性を示し、青色光によるその活性化により細胞内にアンモニアを蓄積する。そこで細胞内のアンモニア蓄積を検討した結果、グルコース処理細胞で顕著なアンモニア蓄積が確認された。さらに外部からのアンモニア添加は硝酸輸送系を顕著に抑制した。これらの結果は硝酸の利用が、細胞内のアンモニア量によって制御されることを示す。アミノ酸・硝酸輸送系に対する、糖・6-deoxy-D-glucose・青色光の作用・アンモニアの役割を議論する。
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© 2008 日本植物生理学会
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