日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネの根におけるカリウムイオン輸送体HAKの発現と機能
*岡田 知之仲山 英樹新名 惇彦吉田 和哉
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p. 0911

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抄録
植物は、塩ストレス条件下でイオン恒常性を保つための様々な仕組みを有する。土壌中からのK+の選択的取込みもその1つであるが、その分子機構は未解明である。KT/HAK/KUPファミリーは種を超えて存在するK+輸送体ファミリーである。HAKは選択的K+摂取に機能することが示唆されているが、HAK遺伝子はシロイヌナズナに13、イネには少なくとも25確認されており、どのHAKがK+摂取に機能しているのか分かっていない。本研究は、イネを対象に、土壌からの高親和的なK+摂取を行うOsHAK分子を同定することを目的とする。
生育環境中からのK+を摂取に機能する輸送体は、1)内向きのK+輸送能を持ち、2)細胞膜に局在し、3)根表層細胞で発現する必要がある。まず、定量PCR解析を行い、K+飢餓とNa+ストレス下の根において発現量が上昇するHAKとして5遺伝子を選抜した(OsHAK1, 7, 11, 12, 16)。これらのOsHAK遺伝子を対象に、上記3条件の検証を行った。まずK+輸送能を大腸菌および酵母の高親和性K+輸送活性欠損変異株を宿主とした相補試験によって調べた。次にGFPとの融合型OsHAKタンパク質を用いた細胞内局在性とin situ hybridization法による根の組織レベルでの発現様式を調べている。
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© 2008 日本植物生理学会
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