日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

アレンオキシド環化酵素およびオキソフィトジエン酸還元酵素の発現抑制イネ系統を用いたいもち病菌抵抗性の解析
*屋良 朝紀八丈野 孝長谷川 守文楠見 健介瀬尾 茂美射場 厚
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0941

詳細
抄録
植物の生体膜脂質のリノレン酸(18:3)から合成されるジャスモン酸(JA)やJAの前駆体であるオキソフィトジエン酸(OPDA)などの脂肪酸代謝物は、シグナル物質として病害抵抗性反応に関与することが知られている。最近、我々は18:3合成を抑制した系統(F78Ri)において、イネのいもち病菌(Magnaporthe grisea)に対する病害抵抗性が向上することを見出した(Plant Cell Physiol. 2007, 48: 1263-1274)。本研究においては、イネのいもち病菌抵抗性におけるJAとOPDAの役割を調べるため、18:3合成からJAへと代謝する過程において、OPDA合成を触媒するアレンオキシド環化酵素(AOC)とJA合成を触媒するOPDA還元酵素(OPR1、OPR3)に対しRNAi法を用いることによって、OPDA/JA欠損形質転換イネ(AOCRi)、JA欠損形質転換イネ(OPRWRi)を作成した。これらの系統に対し非病原性または病原性のいもち病菌レースを接種し、野生株およびF78Riの病害抵抗性と比較したところ、AOCRiおよびOPRWRiは病原性の有無にかかわらず野生株と同程度のいもち病菌抵抗性を示し、F78Riのように向上することはなかった。さらにAOCRi、OPRWRiにおける病害関連遺伝子(PBZ1PR1b)の発現を調べたところ、野生株と同様の発現パターンを示した。これらの結果は、イネはJAやOPDA合成を介さずに、いもち病菌抵抗性および病害関連遺伝子発現を誘導できることを示している。
著者関連情報
© 2008 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top