日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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病害抵抗性反応誘導機構におけるRAR1-SGT1-HSP90複合体の役割
*門田 康弘Boter MartaZhang MinghaoAmigues BeatriceProdromou ChrisostomosPearl Laurence H.Guerois Raphael白須 賢
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p. 0963

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抄録
植物病原菌はエフェクターと呼ばれる蛋白質を植物細胞内に多数注入して、植物の防御機構を攪乱または抑制し、感染増殖を行う。一方、植物はエフェクターを認識する抵抗性(Resistance; R)蛋白質を持ち、過敏感反応と称される強い抵抗性反応を誘導する。遺伝学的なアプローチと酵母ツーハイブリットスクリーニングにより、RAR1-SGT1-HSP90複合体が抵抗性反応の誘導に必須な役割を果たすことが明かとなった。タバコにおいて、これら3つのどの因子をサイレンシングしてもR蛋白質の量が減少することから、この複合体はR蛋白質の安定化に働いていることが示唆された。SGT1に様々な変異を導入して機能解析を行った結果、RAR1とHSP90の結合するCSドメインがこの複合体の機能に重要であることが分かった。そこで、NMR法、X線結晶解析法によるタンパク質立体構造解析を行ったところ、CSドメインは7つのβシートからなるサンドイッチ状の形をしており、片方の面にHSP90が、他方の面にRAR1が、それぞれ結合することが分かった。また、HSP90と結合する領域に変異を導入したSGT1は、HSP90と結合できないだけでなく、R蛋白質を安定化できず、さらに病原体の増殖を抑制できなかった。このことから、SGT1がHSP90と結合することがR蛋白質の安定化制御と抵抗性反応の誘導に必須であることが分かった。
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© 2008 日本植物生理学会
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