抄録
Synechocystis sp. PCC 6803における酸性ストレス応答遺伝子はDNAマイクロアレイによって同定された。発現が増加したこれらの遺伝子の中で、slr0967とsll0939の発現量は酸性条件下において、発現量が4時間で経時的に12から20倍まで増加した。これらの結果はこの両遺伝子が酸順応過程において重大な役割を果たしていることを示している。これらの遺伝子を含め、私たちは13個の欠損株を作成し、その表現型を解析した。それらの欠損株において、4つの欠損株が酸処理に対して顕著に反応することを見つけた。また、これら欠損株のReal-Time PCR分析により、slr0967欠損株においてsll0939の発現が大きく抑制されることを明らかにした。さらに,私たちはslr0967が酸順応に関連した遺伝子の発現調節に重大な役割を担っていると考え、slr0967欠損株のDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、新たに発現増加が確認された遺伝子を同定したので報告する。