日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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FOX Hunting Systemを用いたイネ遺伝子の網羅的機能解析
*中村 英光羽方 誠岡田 恵子梶川 真理子天野 晃土岐 尚子Pang Jinhuan宮尾 安藝雄土岐 精一関 原明市川 尚斉篠崎 一雄松井 南市川 裕章長村 吉晃廣近 洋彦
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p. 1003

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抄録
我々は、FOX (Full-length cDNA OvereXpressor gene) Hunting Systemをイネに適用することで、ゲノムワイドなイネ完全長(FL)cDNAの機能解明を進めている。まず、理研(RIKEN)由来の13,980種類のイネFLcDNA群を、バイナリーベクター上のZmUbi-1プロモーターに連結し、cDNAアグロバクテリウムライブラリーを作製した。これを用いてイネ(日本晴)を形質転換し、約12,000個体のRIKEN-FOXイネ系統を作出した。うち約10,000系統のゲノミックPCR解析の結果、8,615系統で導入cDNAを含む断片の増幅が見られ、その塩基配列解析より、8,225系統でFLcDNAが同定され、延べ5,462種類のcDNAが独立に導入されていた。また、ゲノミックPCRとサザン解析の結果、多くの系統で約2コピーの単一cDNA挿入が検出され、任意に選んだ24系統のRT-PCR解析から、その大半で導入cDNAが過剰発現していた。次に、可視的な形質に着目し、各種FOXイネ系統の表現型観察を行った。うち約16.6 %で成長促進や矮性、多分げつ、早生などの表現型を示す系統が見出された。さらに、国際科学振興財団(FAIS)由来の約14,000種類のイネFLcDNAもFOXイネ系統の新規作出に供した。その解析結果と得られた表現型についても報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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