日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネにおける変異GUS遺伝子回復アッセイ系の構築とオリゴヌクレオチドによる遺伝子ターゲティング法の最適化への利用
*奥崎 文子鳥山 欽哉
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p. 1004

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抄録
近年、細胞にオリゴヌクレオチドを直接導入し、遺伝子に部位特的に塩基置換を起こす遺伝子ターゲティング方法が開発された。植物では、イネ、タバコ及びトウモロコシにおいて、薬剤選抜可能な内生遺伝子の改変に成功したと報告されたが、効率が10-5~10-4とホ乳類に比べて低いのが現状である。オリゴヌクレオチドによる遺伝子ターゲティング効率の向上を目指し、様々な導入条件を比較検討する必要があるが、薬剤耐性イネの選抜には1~2ヶ月間の時間および継代の手間がかかる。本研究では、イネにおいてオリゴヌクレオチド導入条件の比較をより簡便に行うために、レポーター遺伝子を利用する系を構築することにした。遺伝子内に人為的にストップコドンを挿入した変異GUSを過剰発現するコンストラクト(35S:mGUS)を作成し、これをアグロバクテリウム法でイネに導入した。35S:mGUS導入イネカルスは、塩基置換によりストップコドンが解除された細胞でのみGUS活性を持つことを確認した。この変異GUS回復アッセイ系を用いることで、オリゴヌクレオチドを導入してから8~10日後にターゲティング効率を比較することが可能となった。現在、構築した系を利用してオリゴヌクレオチドの構造や量の違いによる効率の比較や、ターゲティングをエンハンスするような遺伝子の共導入を試みており、その結果についても報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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