抄録
植物科学研究教育推進事業は文部科学省特別研究経費により平成17年度から発足した5年間のプログラムである。本事業は、全国の大学に連携した教育体系を作り上げ、将来の植物科学を担う人材を育成することを目的としている。
本事業では、タンパク質複合体精製、プロテオミクス解析、バイオイメージングの技術を用いた植物タンパク質の機能解析(タンパク質ネットワーク解析)に焦点を絞り、全国の大学院学生に対して研究教育を行っている。本事業では、年度毎に全国の大学院学生を募集し、選抜された大学院学生に対して研究費助成、技術教育、交流の場の提供などを行っている。また、一般公開のワークショップやシンポジウムを行い、選抜された大学院学生だけでなく、全国の若手研究者に対して最先端の科学技術教育と交流の場を提供している。
本事業は植物科学研究教育推進ユニット(植物ユニット)が推進しており、上記研究教育のために3つのチーム(タンパク質ネットワーク解析チーム、タンパク質質量分析チーム、バイオイメージングチーム)から構成されている。本事業に参加することにより、生化学的なタンパク質相互作用因子の解析、タンパク質複合体精製、質量分析装置を用いたタンパク質の同定と定量、翻訳後修飾の解析、生細胞内でのタンパク質の可視化、FRET、BiFC、FLIMなどによるタンパク質相互作用の可視化などの最先端の研究教育を受けることができる。