抄録
理科の実験は,中学生や高校生の科学に対する興味・関心を養うだけでなく,様々な問題に対する解決能力の養成や,理科離れの歯止めに重要である。そこで,平成19年度では,サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)の支援を受け,福岡教育大学が志摩町立志摩中学校および春日市立春日西中学校と連携し,大学教員がそれぞれの中学校に出向いて理科実験を実施した。SPPとは,大学と中学校または高等学校との連携によって科学に関する生徒の興味・関心と知的探究心を育成することを目的に,科学技術振興機構が実施する事業である。また,福岡教育大学で採択され,平成18年4月から開始された「学校現場が求める実験・観察・実習及び技術の体験型実践強化プログラムの開発ム体験型学習を重視した理科・家庭科・科学技術・環境教育に対する支援のための連携融合事業ム(以下,連携融合事業)」の一環として,福岡県立鞍手高等学校の理数科の生徒を本学に招いて理科実験を実施した。実施した理科実験のなかで,生物に関する実験内容は,いずれも,納豆菌とブロッコリーからのDNAの抽出実験,染色によるDNAの確認実験,および顕微鏡画像による細胞の観察である。実験後に行った,生物実験や理科全般に関するアンケート調査の結果をもとに,中学生と高校生の実験に対する理解度の違いや,大学が中学校や高等学校と連携して教育を行ううえでの課題について報告する。