日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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珪藻silaffin-1遺伝子からの組換silaffin生産およびそのバイオシリカ形成活性
*堀口 雅人金子 忠昭松田 祐介
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p. 1019

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抄録
珪藻は海洋など幅広い水圏に生息する二次共生型の真核単細胞藻類である。珪藻はナノメートル単位の微細で幾何学的に整列した胞紋を有する珪酸質の被殻を持つ。珪藻Cylindrotheca fusiformis の細胞壁より得られたsilaffin-1をコードする遺伝子は7回の繰り返し配列を持つ。各リピート配列にコードされるペプチドは細胞外での穏やかな条件下で迅速に球状シリカ固体(バイオシリカ)を作ることが知られているが、リピート数とシリカ形成活性の関係はわかっていない。本研究では単リピート型および7回全ての繰り返し配列を持つ7回リピート型の2種類のsilaffin遺伝子を構築し大腸菌内で大量発現した。得られた組換silaffinはオルト珪酸テトラメチル(TMOS)存在下で球状バイオシリカを形成した。さらにpH、温度など反応条件がシリカ形成活性に及ぼす影響、リピート数とバイオシリカ形成活性の関連について調べた。また組換えsilaffinにより作られるバイオシリカに酵素を固定するために、アルカリフォスファターゼ存在下でバイオシリカ形成反応を行っている。本発表ではこれらの実験結果について報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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