日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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日本植物生理学会賞: 植物および関連微生物のゲノム解析
*田畑 哲之
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p. A0001

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抄録
1996年のシアノバクテリア Synechocystis sp. PCC 6803の全ゲノム解読を皮切りに、植物と関連する多種多様な微生物のゲノム全構造が明らかにされてきた。また、2000年末のシロイヌナズナのゲノム解読完了以降、すでに5種を超える植物ゲノムの全・部分構造が公開されている。これら膨大なゲノム配列情報は植物生理学におけるパラダイムシフトの最大の要因であるのみならず、これを基盤とするOMICS解析と情報科学が加わることによって、「植物生理学」の垣根を壊し「生物学」、さらにより普遍的な「生命科学」の要素へと進化が進みつつある。この動きは、より広範な学問分野との融合によってさらに加速することが予想され、これに対する研究者の柔軟な対応とそれを支える基盤の整備が急務である。
我々は、これまで4種類のシアノバクテリア、2種類の根粒菌、数種類の顕花植物を対象として、ゲノム解読やEST解析により遺伝子情報を収集するとともに、各種網羅的・系統的機能解析を行った。その結果、これらの生物がゲノム中に保持する多数の遺伝子の存在を明らかにし、その多くに一次レベルの機能情報を付加した。ゲノム中の全遺伝子に対するこのような記載は、将来の生物科学の展開に重要な役割を果たすことが期待される。今後は、情報の質量両面の拡充と情報相互の関連づけによって、遺伝子をベースとした生命現象の理解をめざしたい。
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© 2008 日本植物生理学会
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