抄録
過去6,7年で、植物分野においてmiRNAやsiRNAといった低分子RNAが発見され、その機能解析等が精力的に行われ,多くの発見があった。植物組織における軸形成など各種発生過程の進行をつかさどる転写因子の翻訳を、負に制御するmiRNAの存在の発見はその一例である。このように低分子RNAが存在するということは、対応して何らかの遺伝子の発現に関するfine tuningをしていることがと期待される。短いRNAに関して網羅的な解析をおこなうという大きな流れを見ながら,われわれはこうした短いRNAを合成/利用する植物側の因子の候補の機能解析を進めている。そのなかで短いRNAの新たな機能の発見も期待できると考えている。これまでsiRNAあるいはmiRNAは、Argonaute1(AGO1)が中心となるRNA induced silencing complex (RISC)に入り,その配列と相補的な標的RNAを抑制するとされている。実はシロイヌナズナのAGOは10個の多重遺伝子ファミリー(AGO1~10)を構成している。このうち今回AGO2と AGO5に注目して行った解析から得た知見を披露したい。4個のDicer-like protein (DCL), AGOの機能分担からみえる低分子RNAによる遺伝子発現制御について議論したい。