日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの葉の形態形成に関わるasymmetric leaves2亢進変異体#27のクローニング
*小島 晶子岡 健太南 栄寿岩崎 まゆみ上野 宜久町田 泰則町田 千代子
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p. 0009

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抄録
シロイヌナズナでは、葉の形成に複数の遺伝子と複数の制御系が関与することが明らかになりつつある。asymmetric leaves2 (as2)変異体は、左右非対称な葉の切れ込み、葉脈パターンの乱れ、葉身の上偏成長など、葉の形態に多面的な表現型が認められ、複数の系路に関与すると考えられる。AS2遺伝子はcisteine repeatsとleucine zipper様配列を含む植物固有のAS2ドメインをもつタンパク質をコードする。AS2は茎頂メリステム特異的なclass I knox遺伝子群の発現を抑えるだけでなく、葉の裏側化因子ETTINKANADI2YABBY5を抑制することにより葉の表側細胞分化を促進すると考えられるが、その分子機構は不明な点が多い。我々はAS2とともに葉の形態形成に関わる新奇因子を同定するため、as2-1の亢進変異体の解析を進めてきた。as2亢進変異体#27は単独変異体ではやや下向きの葉を形成し、成長が遅くなるが、as2-1 #27二重変異体は葉身のある葉を数枚形成した後に棒状の葉を形成する。従って#27変異はas2-1の葉の表側細胞分化の低下を亢進していると期待される。さらにAS2とともに機能すると考えられるASYMMETRIC LEAVES1#27の二重変異体も棒状の葉を形成する。今回は#27変異体の表現型とその原因遺伝子について報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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