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シロイヌナズナ花茎が重力方向の変化を感受するには,内皮細胞内のアミロプラストが重力方向へ移動することが重要である。我々は重力感受メカニズムを解明するために重力屈性能が低下したsgr9変異体の解析を行なっている。sgr9変異体ではアミロプラストの重力方向への移動に異常がみられること,また,SGR9はアミロプラスト上に局在するタンパク質であることから,SGR9がアミロプラストの沈降制御に関与していることを昨年度の本大会で報告した。これまでの研究から,アミロプラストの動態にはアクチンフィラメント(F-アクチン)が関与することが示唆されている。そこで,F-アクチンとSGR9の関係を調べる目的で,まず,内皮細胞のF-アクチンを観察したところ,sgr9では野生型よりも多くのアミロプラストがF-アクチンに取り囲まれていた。また,F-アクチンの形成が抑制されるアクチン優性変異fiz1をsgr9に導入したところ,このアミロプラストを取り囲むF-アクチンが明らかに減少した。さらにこの時,sgr9の重力屈性能とアミロプラストの重力方向への移動は回復していた。以上のことから, SGR9はアミロプラスト上に局在して,アミロプラストとF-アクチンとの相互作用を調節することで,アミロプラスト動態を制御すると考えている。