日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナペルオキシソーム形成突然変異体apm3ではペルオキシソームの分裂が抑制されている
*真野 昌二中森 ちひろ近藤 真紀西村 幹夫
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p. 0030

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抄録
我々は緑色蛍光タンパク質(GFP)によりペルオキシソームが可視化された形質転換シロイヌナズナ(GFP-PTS1)を親株として変異処理を行い、GFPの蛍光パターンが親株と異なるapm (aberrant peroxisome morphology)変異体を多数選抜し、ペルオキシソームの形成に関わる因子の同定と機能解析を行っている。
apm3突然変異体では、GFP-PTS1より大きなペルオキシソームが観察され細胞内の数が減少することから、ペルオキシソームの分裂が抑制された変異体であると考えられる。マッピングの結果、APM3遺伝子は、Peroxisome membrane protein 38 (PMP38)であることが明らかとなった。PMP38プロモーターとGUS融合遺伝子の解析から、PMP38は様々な組織、成長段階で発現しており、発現部位では巨大化したペルオキシソームが存在していた。PMP38はMitochondria carrier familyのATP/ADP transporterのグループに分類されているが、今回、ATPおよびADPは輸送しないことが明らかとなり、他の低分子を輸送している可能性が示唆された。既に報告した別の分裂抑制変異体apm1との二重変異体の解析も合わせて報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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